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真実と虚像の硲4

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※夏コミ新刊です。 繋がっているかどうかも怪しい糸。 それを手繰り寄せる事くらいしか、今出来る事はなかった。 5、  手を結ぶといっても、どう考えても新一にメリットがあるとは思えなかった。だが、そんな事を言ったところで、平次が聞かないだろうことも、この数時間で嫌というほど理解していた。  まあ、考えようによっては、情報はどれだけあっても困らないわけで。手を結ぶかどうかは、後で考えれば良いのかもしれない。  そんな事を考えた新一は、無駄に噛みつくのはやめる事にした。 「とりあえず、や」  言った平次は、パンツの後ろポケットからスマホを取り出した。  そして、どこかに連絡し始めた平次を見やり、新一は首を傾げた。  この状況で連絡するというと、件のビルのオーナーだろうか。そんな事を考えながら平次を見やると、回線がつながったのか、平次はくるりと新一に背を向けた。 「あっ、じぃちゃん? 俺や。例の現場をもう一回、見せてもらえへんやろか。――せや。今すぐ」 「って、おい! 今すぐって……」  言いかけた新一に、平次は振り返りながら視線で制した。 ■ 真実と虚像の硲4 ■ A5/オフ 44P 平新 イベント販売価格 ¥500 Novel 綾部 澪

※夏コミ新刊です。 繋がっているかどうかも怪しい糸。 それを手繰り寄せる事くらいしか、今出来る事はなかった。 5、  手を結ぶといっても、どう考えても新一にメリットがあるとは思えなかった。だが、そんな事を言ったところで、平次が聞かないだろうことも、この数時間で嫌というほど理解していた。  まあ、考えようによっては、情報はどれだけあっても困らないわけで。手を結ぶかどうかは、後で考えれば良いのかもしれない。  そんな事を考えた新一は、無駄に噛みつくのはやめる事にした。 「とりあえず、や」  言った平次は、パンツの後ろポケットからスマホを取り出した。  そして、どこかに連絡し始めた平次を見やり、新一は首を傾げた。  この状況で連絡するというと、件のビルのオーナーだろうか。そんな事を考えながら平次を見やると、回線がつながったのか、平次はくるりと新一に背を向けた。 「あっ、じぃちゃん? 俺や。例の現場をもう一回、見せてもらえへんやろか。――せや。今すぐ」 「って、おい! 今すぐって……」  言いかけた新一に、平次は振り返りながら視線で制した。 ■ 真実と虚像の硲4 ■ A5/オフ 44P 平新 イベント販売価格 ¥500 Novel 綾部 澪